カツラメーカーの比較
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カツラメーカーといえば、どなたも「アートネイチャー」と「アデランス」の二大メーカーを思い浮かべることでしょう。
実際、この両社の広告量は膨大なものです。
広告だけ見ていると、両社ともほとんど同じような製品を販売しているようですが、実際の商品製作上のコンセプトはかなり違っています。
ひとつには、製作上の技術に対して特許や実用新案を取ることで、他社に真似できないようにしているからです。
また、すでに両社とも二五年以上にわたる業績のなかで、独自の商品体系や開発ノウハウをそれなりに確立してきたからです。
アートネイチャー
アートネイチャーの設立は昭和四〇年。
平成六年三月期決算で三四〇億円の売上をあげています。
アートネイチャーは設立されてから長い間カツラの製造メーカーでした。
そしてその素材は人毛でした。
人毛は自然感という最大利点を除けば、弱い、セットがたいへん、変色する、水分を吸収しやすい、すぐ絡むなどきわめて欠点の多い素材でした。
そこでアートネイチャーは、昭和五八年に全面的に人毛から人工毛に切り替え、人工毛を自毛に結着するタイプの増毛法を始めました。
これが、現在のアートネイチャーの増毛技術の基礎となっています。
現在のアートネイチャーの業務体系は、育毛、増毛(この本でいう増毛施術)、カツラの三つになりますが、業務提携として頭皮移植クリニックの仲介なども行なっています。
独自の育毛プログラムに対して、アートネイチャーでは「ヘア・コントロール・システム」と名づけています。
いわゆる育毛クリニックです。
「アートグロー」という育毛剤を中心に、マッサージやヘアスチーマーで育毛療法を行なっています。
増毛システムは、「ナチュラルマープ」と名づけています。
昭和五九年に「マープ増毛法・マープトレン」という一本の自毛に人工毛を着けるタイプ(単毛追加法)を始めて、その後、マープスーパーという線で着けるタイプの増毛(複毛追加法)、マープスーパーを交互にしたマープエクストラ(面で着けるタイプ)を始め、大きなハゲにも対応できるようになりました。
カツラ関係では、「ヘア・インテグレーション」(ネット類)、「ヘア・リプレースメント」(カツラ類)などの商品があります。
アートネイチャーの特徴は、全面人工毛採用ということと、たいへん複雑で手の込んだ増毛法にあります。
水泳ができるというCMが大きなインパクトを与えましたが、これはそれまでのカツラによる増毛にくらべたらたしかに画期的なことでした。
しかしその画期的特徴は、「自分で簡単にはずせない」「ひんばんなメンテナンスが必要」という使用者のかなりの負担のうえに成り立っているというのも現実なのです。
アデランス
アデランスの創業は昭和四三年。
平成六年二月期決算の売上高は三五六億円(ただし一〇社連結決算)で、アートネイチャーにほとんど匹敵しています。
アデランスは、当初ネットによる増毛法から始まりました。
しかし分け目やつむじでネットが見えるなどの問題点から、昭和四九年、ポリウレタン製の人工皮膚を開発し、これに人毛を植えるタイプのカツラを始め、ネットの問題点を克服しました。
当初この人工皮膚を接着剤や両面テープで頭皮に着けていたのですが、着脱がたいへん不便でした。
そこで昭和五一年、ワンタッチストッパーを開発。
わずか一五秒で装着できるという画期的カツラが誕生しました。
これが現在の「メンズ・アデランス」です。
しかしあくまでカツラですから、水泳はおろかスポーツも満足にはできません。
「水泳OK」のアートネイチャーに対抗するため、その後、アートネイチャーとほぼ類似商品である「ピンポイント活毛法」、カツラとネットの中間に位置づけられる「アグレス活毛法」の二つの増毛法を開発し、「ライブ・ニュー」という商品体系で販売しています。
現在のアデランスの業務体系は、育毛、増毛、カツラの三つで、形としてはアートネイチャーと酷似しています。
育毛は「ヘアサポート」と名づけられています。
育毛剤「ディオロス」を中心に、レーザー、イオン、マッサージ、コンセラーなどで育毛処置を行なっています。
増毛は先ほど述べたように「ライブ・ニュー」と名づけられ、ピンポイントセブン(一本の自毛に六本の人工毛を着けるタイプ)とアグレス(ネットとカツラの中間的なもので、自毛とネットに付けた人工毛とを絡ませ自然感を高めたもの)の二つの商品を出しています。
カツラは、「メンズ・アデランス」と名づけられています。
アデランス独自の頭の型取り用フィッターの使用で、頭にフィットした使用感のよいカツラです。
材質は、人毛と人工毛がありますが、セットが簡単な人工毛の比重が大きくなっています。
アデランスの商品体系の特徴は、軽い薄毛にはピンポイント、すこし進んだ薄毛にアグレス、相当進んだ脱毛にはメンズ・アデランスと、ハゲの程度で決まってしまうことです。
これはわかりやすいのですが、それぞれ長所・短所が相当異なりますから、十分理解してから決定すべきです。
また、アデランスの育毛コースはかなり充実した体系になっています。
アデランスの場合、ピンポイントセブン以外は自分で着脱ができるので、育毛の処置がしっかり行なえます。
そういう意味では、増毛によって進む脱毛を、育毛と併用することですこしは小さくできるでしょう。
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