人はどうしてハゲを嫌うのか
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なぜハゲがいやなのか、その心理を探ってみることにしましょう。
できることならハゲたくありません。
髪が多いか少ないかで当然見た目が違います。
髪の少ない人は一〇歳近くは老けて見られます。
しかし逆に老けて見られることが男にとって貫禄を付けることもあるのではないでしょうか。
若い頃から老けて見られるほうがいつまでも容貌が変わらないということもあります。
世の中いつも若く見られるほうがいいとは限りません。
それでは、男は男でハゲることに必要以上に恐怖感をいだき、女は女でいやがる心の本質は何なのでしょうか。
ここで国際的な比較を紹介しましょう。
紳士の国イギリスでは、けっこう若くしてハゲている人がいます。
大学生でもほとんど前半分がハゲていたり、かなり薄くなっている人がたくさんいます。
しかしどうも悩んでいるという感じがありません。
そんな人でもちゃんとステキな彼女を連れて歩いていたりします。
女性たちも男性の頭髪をそれほど気にしていないようなのです。
つまり、ハゲていることが女性にモテるかどうかのマイナス条件にはほとんどならないのです。
イギリスのある小説に「ハゲているのは紳士の象徴」という一節があったくらいです。
今は亡きユル・プリンナーやテリー・サバラス。
彼らはスキンヘアが魅力の俳優でした。
アメリカでは、むしろハゲている俳優のほうがセクシーであり、魅力ある条件になるのです。
ここでもう一度日本に戻りましょう。
ハゲに悩んでいる男性も、もしイギリスやアメリカに行けば、くよくよ悩んでいることがいかに馬鹿馬鹿しいことか気づくはずです。
つまり、この日本という社会が、不思議に特別ハゲを気にする異常なところだということを知ってほしいのです。
すこしきつい表現になりますが、これは明らかに外見的な差別です。
同様のことを男性も女性に対して行なっています。
たとえば、ダイエットやエステに適う女性の心理は何なのでしょう。
その背景には、デブ、ブスと女性を外見的に冷遇してきた男たちの差別意識があるのではないでしょうか。
美しいものには目がとまる、そしてそれを求める…これは、至極当然な人間の心の働きとしてだれもが納得するところでしょう。
その延長線において、美女、美男がもてはやされます。
「やっぱ。美人はトクだよな」というのはそんな社会の本音です。
しかし、だからこそ「人間は顔じゃない、心だよ」という正論を、私たちは信じようとします。
むしろこれが健全な社会なのです。
ところが、閉鎖的で「心の個性」を尊重しない社会になればなるほど、本音ばかりがまかり通り、「美人でなければ生きていけない」という極端な論理が人々の心を支配していきます。
「しょせん人間は心を磨くより外見を磨いたほうがトクだ」といった考え方の裏側には、「少なくとも自分はブスになりたくない、そして恋人もブスはいやだ」という、れっきとした心がすでに無意識のうちに存在しているのです。
ハゲはいやだ、ブス・デブはいやだ。どちらも、男女がお互い外見的に差別し合っているだけです。
そこには、相手の心や気特を思いやる精神もない、実に冷たい心しか見当たりません。
なぜ同じ日本人同士が男女間でこのように虚しい外見的差別をし合っているのか、それも私たちが無意識にそうしてしまっているのか、哀私たちの精神構造を見直してみる必要があるようです。
カツラメーカー、エステティックサロン、この二つの業界がいかに職烈な顧客獲得競走を展開しているか、それは毎日のテレビ、雑誌、新聞、チラシなどの広告を見ていれば想像できます。
なにげなく見ている広告ですが、これらのイメージ広告は、逆にハゲていることやデブ、ブスであることがいかにみじめであるかをいろいろな言い方で洗脳しているような気がしませんか?
人間一人ひとり指紋が違うように、顔や髪型、そして体型も異なるのです。
それは個性なのです。
もしお互いにそれらを大きな心で認め合えるなら、これらのことで悩むこともないはずです。
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